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最近また池山田せんせいの漫画がタイトルで話題になっていましたが、まだまだ発展途上の新作はあとまわしにして、タイトルをずっと勘違いしていたもひろん先生の新刊にいきましょう。
さて、色々間違っている「もちがって」る本作のテーマは久しぶりの世直し。
もひろん先生は「なるたる」「ぼくらの」で有名ですが、今は「のりりん」という自転車漫画のほうが売れているのかも。勿論わたしは「もちがって」る本作のほうが好きです。
世の中馬鹿ばっかりだから、悪い奴は死ね!いやコロス。そう、アホの子が叫ぶのです。世直しのために。
世の中が正しければ、間違った悲劇は起こらなかったのに・・・と。
子供たちの力は小さく、やれることにもおのずと限界がある。それでも正義を行使することを諦めない。
目の前でポイ捨てするような大人には正義の鉄槌を下さなければならない。例え、計画性がなく、顔を見られても・・・得体の知れないサイコメトラーを頼っても・・・血の痕を追い、鉄扉を開け、止めを差すのだ。例え、素手でドアノブに触れて、指紋が残り、警察の捜査が及ぼうとも、慌てず騒がず、日常の終焉を待つのだ・・・例え、警察が自転車を盗んでも、証拠をもみ消しても・・・って、あれ?あれれ?
そんな新刊、もひろんの作風もだいぶ変わって先の読めない展開です。「なるたる」から「ぼくらの」への変化を、かつて私は氏が優しくなったのか幸せになったのだろうと評したものですが、さて今作をどう評価したものか迷っています。
作風はいささか楽天的に、主人公のミツにひきずられるように明るくなってはいますが、内容はどうでしょう。世直しのための殺人が、そしてそれを肯定してくれるヒロイン(一方的片想い)をも裏切っている主人公はといえば、事故の様に犯した殺人を忘れて生きていくそんな日常。今までよりもずっと生活感にあふれ、温かで人間味のある、それでいて簡単に人を殺して行く子供たち。これはもはや「なるたる」よりもずっとタチが悪いのではなかろうか。
終わることの無かった世界を、弛緩しきったモラルのない世界を、ちいさな手で矯正せんとする子供たちの、報われることのない世界・・・途方もない徒労に終わる、そんな予感が漂うのです。
という新刊は存分にたのしみましたので、いつもの恨み節(笑)。まあ、自分の正義を信じているものなので余計に奴らの悪辣さ卑劣さに腹が立つのでしょうけれども、果たして全面戦争となったときに味方となってくれる人がどれだけいることか。正しさが戦争の勝利条件ではないのです。そして、人の数だけ正しさがあり、悪もまた正義となりえるということも。
こういう状態で、例え正義を認められたとしても、それまで培った信頼を0(またはそれ未満)にまで貶めるほどの力があるか?大恩には勝てないのではなかろうか。
既に、裏切り者(笑)の存在を見て知っているからこそ、いたずらに事態を混乱させるようなことはすべきではないのか、そんなかんじでここにヒキっていたのですが・・・もはや猶予はないのかもしれません。
むしろ奴のテリトリーといっていい場所から追い出すことが出来るのか否か、開戦に踏み切ったとしても徒労に終わりはしないかと悩みはしますが、とりあえず虎穴に飛び込むことでしか活路は開けぬと覚悟を決めました。
もう失うものなんて殆ど残っていないのだから、己の誇りと尊厳を賭けて、戦争をしましょう。
開戦のときは、週末。
- 2013/01/10(木) 02:22:28|
- 雑記
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