やあ。そうなんだ、もうそろそろネタ切れなんだよ。すまない。
ぶっちゃけBL知らねーから!
とはいえ、なんでこのチョイス?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
先日映画化もされた手塚作品にして唯一のBL。
まあ、いっつもショタへの愛は漲ってるオサムシ先生ですけれども、青年同士のチョメチョメがあるのはコレだけのはず。
そう、なぜ私があまりBLを知らないのか、水が合わないのか、よ~くわかるのがこの作品。
どこぞの匿名掲示板でもよく貼られていたので、ある孤島の洞窟の中でショタを可愛がるヤンキーの図を見たことがあるって人も結構いるんじゃないかしらん。
歌舞伎役者の家に生まれたおぼっちゃま・美知夫はとある島に寄ったところをヤンキーたちにつかまり、営利目的で誘拐されてしまう。
連中の下っ端であった見張り役の賀来は、あまりにも無垢で可愛らしい美知夫に劣情を催し、洞窟の奥でアッーな狼藉に及ぶ。
神が与えたような静寂、帰らぬ仲間たち、誰の目も届かぬ洞窟、少年を可愛がるのに絶好の状況であった。
初体験の夜を経て、二人は別世界に飛んでしまうのだった・・・そう考えるのが相応しいほど、この世とは思えぬほどの静寂、そして無造作に転がった死体・・・そこはまるで地獄だった。
賀来(ヤンキー)は、何か毒ガスが出て、島の住民全員が犠牲になり、昨夜のうちにガスが風で流された為に洞窟の奥でイチャついていた自分たちだけが助かったのだと思った。
すると、美知夫(ショタ)が突然苦しみ出す。まだガスが残っていたのだ。このままだと自分たちも死骸の仲間入りをしてしまう。船に乗って一度はこの地獄から逃れたように思われた二人であったが、彼らは死ぬまでこの地獄風景の中に塗り込められたまま、逃れることは叶わなかったのである。
MW・・・それが毒ガスのコードネームであり、米軍秘蔵の生物兵器をそう呼んだ。
という過去を経て、青年・美知夫は美しく、逞しく、賢く、非常識に育った。
毒ガスのせいだと賀来は云う。あの地獄を見た彼は心を入れ替えて神父になったというのに、美知夫は稀代の犯罪者となっては懺悔に教会へやってくるのだからたまらない。
神父の弱みを握っている美知夫は時に女のように豹変しては、神を冒涜し、あの地獄へと引き戻すのだった。
まあ、つまりはエロエロり~んなBL展開というわけだね。
で、元美少年のミチオちゃんはMWの謎に迫っていくとともに、賀来神父にも迫る。カノジョができたら妨害する氏、自分のカオを売り物にして女をたぶらかしながらも、やっぱ本命は神父なんだろうかなあ。とにかく執着するのは、同じ地獄を見た仲間だからなのかもしれないんだけども。
で、二人して破滅の道を歩んでいく、周りの人間を否応なしに巻き込みながら・・・耽美だね。
なんだけどね。
うわわわーん。ショタの出番少ない!少なすぎるぞおい!!
たぶん神父さんがいつも青年・美知夫を拒否るのは、ショタコンだったからだよな。わかるわかる。
昔はムラっとくるようなショタが今じゃこんなに育ち過ぎて、射程範囲外になったのよね。
でも青年・美知夫にしてみれば初めての相手だし、訴えられたら即性犯罪者だしで拒否しきれないしで、大変だわー。
おわかりですね?
BLというのはショタモノと違って、育った後も愛が継続しているってことなんですよ!
永遠の少年みたいな、ポーの一族的なものやら、故人となった場合、外見が変わらない場合を除いては例外なくその後が描かれ、残酷な現実を突き付けてくれやがるのですよ。
あの子役がいまじゃご覧のありさまだよ!ってことはよくあることだが。あることなんだが・・・フィクションくらい夢を見させてくれよ~。
ということで、BLというものの一つの特徴がこれ。
・いつまでも幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。 ←ここまで補完する
男性向けだと全くと言っていいほど、ないですね。片方死ぬとか両方死ぬとか、そういうのはあるけども。(ロリコン志向を反映してるってことかもにゃ~)
少女漫画でも、子供が育って云々という最終話をよく見ますので、やはり少女漫画の系統なのでしょう。
また、このMWはもうひとつBLの特徴を内包しています。
恋愛至上主義。
少女漫画というものは、はじめ男性作家によって描かれていた時代があり、今に至るわけなのですが、オサムシ先生の少女漫画といえば「リボンの騎士」でありますね。
あまたの障害を乗り越え、ハッピーエンドに至る途中で恋破れていく脇キャラたちの哀れさよ。BLになったとはいえ、この構造は変わらないのであります。
恋愛こそすべてであり、恋愛の成就がハッピーエンド・クライマックスなのです。
ま、MWだと許されない二人は死んでしまう訳なのですけどね。ちゃんと美知夫も死んでるでしょ、もうこの世の人ではないと皆が認識している限りはね。
神父の方は、確かに美知夫を愛していたんだろうなという終わり方でしたね。愛憎、執着、破滅。
私は片想いってのが大好物なので、MWのストーリーはけっこう好みだったりします。
きわめて女性的な顔を見せる美知夫青年は、今の時代では受け入れられないかもしれませんが、歌舞伎の女形であるスポットライトを浴びた兄、という比較対象(そして隠れ蓑)と並べれば、そうした意図はよくわかるところです。
なんとなく、江戸川乱歩っぽい意匠を感じ取りましたよ、入れ替わりとかショタとかBLとか異常犯罪とか。孤島の鬼的な。
これぞ耽美。悪の美学、破滅の美学、美へひたすら耽溺する贅沢さ。
でも、やっぱショタがいいですよ先生。いつもの先生のショタが好きさ。
だってそのほうが萌えるもん!
- 2011/10/27(木) 01:36:13|
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