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ぷりみてぃぶろぐ

3Dイリュ毛の改造記事と、個人的な記録。

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畜生は畜生らしく。その3:実際と物語上のサイコパス―星島と寄生獣―

3月になりました。ツールいじりつつ、3Dの歴史などもお勉強しつつ、前回にひきつづきサイコさんについて書いて参ります。

・現実のサイコパス/江東マンション神隠し殺害事件(星島事件)
完全自殺マニュアル完全自殺マニュアル
(1993/07)
鶴見 済

星島が使った参考書

<オタクの犯罪?>
前回の最後で少し触れた、私の出会ったサイコさんについて連想した事件の犯人「星島」がサイコパスなのではないかと思われる箇所を引用つつ説明し、実際のサイコパスについて(書籍が米国著のため、日本の実例がないので)私なりに紹介したいと思います。
この「江東マンション神隠し殺害事件」(←クリックで事件詳細&引用元)はTVでも大きく報道されたことがあり、セキュリティのしっかりしたマンションの9階から突如「神隠し」のように女性が消え、玄関にある防犯カメラには女性が出て行った形跡がなかったことからこう呼称されました(「殺人」は犯人逮捕以降に付加)。
犯人は同じ階の住人・星島貴徳で、事件発覚直後に警察や被害者の親族が事情聴取に訪れても平然とやり過ごしていたという大胆さ、そしてマスコミのインタビューに堂々と答える不敵さ、更には犯行動機が「性奴隷にしようと思った」という現実離れした所、捕まりたくない一心で被害者を殺害後にバラバラにして下水に流すという人間離れした手際の良さが注目されました。
報道では星島の描いたとされる残酷で不気味な同人誌や、一度も女性と交際したことがなかったこと、セガを辞めてIT派遣をして高給取りであったこと、そして件のインタビュー映像、被害者を拉致したが勃起せずAVを見ていたところに捜査の訪問があり殺害を決意したことなどがセンセーショナルに取り上げられましたが、逮捕から程なくして「秋葉原通り魔殺傷事件(加藤の乱)」が起こった為、そちらに注目が移ったと言われています。
犯人が「オタク系」と関連付けやすい重大犯罪が起こり、マスコミによるオタクバッシングが再燃すると思われましたが、秋葉原通り魔殺傷事件は「アンチオタク」が起こした事件であり、引き金は「派遣切り」だったと判明し、そのような報道は沈静化していきました。
ともあれ、オタクバッシングを語る上では外すことが出来ない両事件といえましょう。
さて、本題の星島について、彼がサイコパスだという根拠を初公判(15)より抜粋しました。
裁判員制度が導入されてまもなく殺人事件という重大犯罪について、更に事実関係に争いがなく、量刑のみを判断する刑事裁判であることから、本事件と星島はふたたび脚光をあびることになりました。
これは星島が被害者宅に押し入り、悲鳴を上げた被害者を殴って大人しくさせ、部屋の中にあったものを使って緊縛や目隠しなどを施して部屋から出る寸前、帰宅時に被害者が所持していた黒いバッグを拾ったところの事実確認の応答です。

星島被告「相手の素性を知るために、バッグを拾いました」

検察官 「なぜ、相手の素性を知りたかったのですか?」

星島被告「名前も年齢も職業も分からなかったから…。まったく知らないより、知る必要がありました」

検察官 「あなたは強姦するために、東城さんを連れ去ったんですよね」

星島被告「はい」

検察官 「強姦する前に(相手を)知りたいという興味があったのですか?」

星島被告「興味というより、少し理論的に考えていたと思います。知っていた方が有利に働くと思いました」

検察官 「どんな局面で有利に働くと思ったのですか。脅迫するときに有利に働くと思ったのではないですか?」

星島被告「はい」

検察官 「お金を取る目的は」

星島被告「いいえ」

検察官 「性奴隷にする目的だけ」

星島被告「はい」


これは前回の記事で紹介したサイコパスの特徴― [サイコパスは]個人の価値とでも呼べるだいじな事実とかデータに無関心で、そのようなものを理解することがまったくできない。 ―に一致し、星島の非人間的なところ、異常性をよく顕わしているやり取りです。
私達オタクはアニメーションなどの創作物を読むとき、凝らした技巧や見た目の美しさとともに「キャラクター」を重要視しており、もっぱら萌え商売といえば「キャラクター」を商品にしたものが殆どです。
架空の人物にバックグラウンドや人格を付加し、魅力的に作り上げた「キャラクター」は時に実在する人間よりもずっと完璧で魅力的に見え、我々を虜にします。
実際のアイドルよりもずっと完璧な架空の人物(ずっと変わらない容姿、恋人発覚などのスキャンダルがなく、想いが裏切られることのない)をまるで実際のアイドルのように崇拝し、人気投票に興じたり、ライバルキャラクターのファン同士が対立したり、ストーリーの進行が予想外で裏切られたと感じた熱烈なファンによるバッシングが起こったり(かんなぎ騒動など)する程です。
しかし、星島が二次元をオナネタにしていた理由は理想的なキャラクター・アイドルを欲していたからではありませんでした。そもそも星島には理想像などなく、自分だけを盲目的に愛する女性ならばだれでもよかったのです。
<星島は快楽殺人者?>
星島は被害者を自宅に連れ込むと厳重に緊縛し、被害者宅まで戻って血痕や指紋を拭き取るなどして証拠隠滅を図っている。作業を終えた星島がふたたび自宅に戻り、暗く静かな部屋で被害者と相対した時、当初の「性奴隷にする」という計画が実行困難になったことに気付いた。星島の暴行により顔面が腫れ上がった状態の被害者を前にして、強姦することができなかった(勃起しなかった)からである。これは星島が快楽殺人者ではないことを示す重大な要素と考えられる。
星島は実際の女性と交際したいと願いながら、現実にはその為の努力やコミュニケーションを全く行わず、その結果交際経験のないまま犯行に及んでいる。

検察官 「あなたは現実の女性に声をかけたことはありますか?」

星島被告「ありません」

検察官 「なぜ最初からあきらめていたのですか?」

星島被告「私の両足には(幼いころの火事で負った)やけどの跡があります。それが原因です。もし『きもち悪い』とか『きもい』といわれれば、殺してしまうかもしれません」


その理由は自分自身の容姿へのコンプレックス(古い火傷痕)とし、現実の女性を知らぬままに怖れていた(したがってオナネタは2次元)。
では、自分自身が傷つけられることへの恐怖が、傷つける現実の女への憎しみへと転化し、サディスティックな快楽殺人へと星島を駆り立てたのだろうか?
酔った勢いで性体験を済ました後(風俗・デリヘル)は実際のセックスの快感に目覚め、現実に「性奴隷」を欲するようになっていったという(オナネタに3次元、AVも含めるようになる)。

検察官 「お金を払ってする以外にセックスをしたことはありますか」

星島被告「ありません」

検察官 「それ(デリヘル)以降のマスターベーションでは、生身の女性が出るAVは使っていましたか?」

星島被告「はい」

検察官 「好きなAVは? 西川ひとみという女性(AV女優・大沢佑香の別芸名)は好きじゃなかったでしたか?」

星島被告「…はい」

検察官 「強姦され、女性がいいなりになるという(ストーリーの)ものはありましたか?」

星島被告「あったと思います」

検察官 「そういうストーリー(を現実にしたいという)の願望はありましたか?」

星島被告「はい」

検察官 「女性というのは、セックスをすれば快感を覚え、言うことを聞くと思ったのですか?」

星島被告「はい」

検察官 「拉致して、性の快感におぼれさせたら、どうするつもりだったのですか」

星島被告「…深く考えていませんでした」

検察官 「相手の女性は、それで幸せだと?」

星島被告「…そこまで考えていませんでした」


星島が何度も繰り返す「考えていませんでした」から伺えるのは他人への共感ができないことに起因する想像力の貧困さである。
現実の女性に性欲の対象をシフトさせた星島は、新築の高級マンションに居を移し、新規入居者を知るべく電気メーターを監視していたというから、普段から妄想を実行に移す機会を伺っていたと思われる(犯行直前にも他の女性入居者の姿を見かけ、追跡したが失敗したことが防犯カメラに映っていた)。
そしてついに空き室を挟んだ隣の入居者が女性であることを知ると(たいした根拠も調査もせず一人暮らしのOLだと思い込み)ずさんな犯行計画を練り始め、すぐに我慢が出来なくなって、衝動のまま、場当たり的な犯行(家屋侵入、暴行、脅迫、拉致監禁、証拠隠滅)に及んだ。
そして強姦に及べぬまま(本人は「性奴隷」にするための行為を強姦だと決して認めず、一貫して「快楽を与えるセックス」だと主張し続けた)無理やりにでも勃起させるため、無音でAVを見ていたところに警察が訪れ、それが被害者殺害の引き金となった。
コンビニへ行くふりをして捜査員に話しかけた星島は、現状確認をしつつ事件について「知りません」などとしらを切り、すぐに捜査の手が自分に及ぶと思い、逮捕を恐れて被害者を殺害することを決心した。

星島被告「痕跡を消すため、警察に見つからないようバラバラにして小さくして隠すことを考えました。そのためには、瑠理香さんを殺さなければと思い、確実に殺すために失血死させようと思いました」


殺害そのものが目的である快楽殺人と違って、証拠隠滅のために「小さくして隠す」ことが犯行の目的であることが明らかになった。
「バラバラ殺人」と呼ばれるものは一見グロテスクなため猟奇的犯行だと誤解されやすいが、殆どは大きな遺体の処分に困った末に仕方なく解体するのであって、遺体を運びやすくするためなどの目的や、証拠隠滅・捜査かく乱の手段であり、死体損壊そのものに快楽を覚えることは稀である。
しかし、「小さくして隠す」ことを目的に「殺さなければ」と思った星島の連想は普通ではない。
普通の犯人は「殺してしまった」ために、遺体を「小さくして隠す」必要に迫られるのに、星島は順序があべこべだ・・・星島にとって被害者が「生きている」ことと「死んでいる」ことに全く違いがなかったような言い方ではないか。
もはや「性奴隷」を得ることは不可能だと冷静に判断し、殺害以外の方法を20分間検討し、リスクの大きい方法を(被害者と一言も言葉を交わさぬまま、被害者を脅迫し偽証させる案を却下し)避けた結果、あっさりと殺害を決意したのである。
そこから浮かび上がるのは - 良心の呵責や罪悪感の欠如 - サイコパスの姿そのものに見える。
<サイコパスには現在だけ。「人生」が存在しない。>
星島は、自分自身にとって一番大事なのは自分であると質問に答え、更に殺害の動機についてこう答えている。

検察官「逮捕されると何を失うのですか」

星島被告「私の将来だと思います」

検察官「生活は?」

星島被告「それもです」

検察官「あなたの将来とは?」

星島被告「住む場所と仕事と…(数秒間だまりこむ)それなりに贅沢に暮らしている生活だと思います」

検察官「給料は当時、どれくらいもらっていましたか」

星島被告「手取りで50万円です」

検察官「貯金はありましたか」

星島被告「いいえ」

検察官「50万円をすべて使っていたのですか」

星島被告「そうだと思います」


星島が使った「自分の将来」という言葉はいかにも空虚で、借り物らしいように思われる。
また、星島は「将来」について答えられず、現在への回答に終始していることにも注目したい。
更に手取り50万円という高給取りでありながら、貯金がまったくなく(非正規雇用・派遣労働者なのに!)、50万円を全て使い切っていたことが「将来」について何の考えも持たなかった証拠のように思われる(しかも、個人事業主だった星島は税金をまったく払っていなかった!ということは・・・「手取り」って・・・)。
― この種の人間はまた、人生そのものにも無関心である。― 刹那的に生きてきた星島の人生は過去も未来も想像の外にあり、彼を支配していたのは「興奮」に繋がる感情とそれを維持するだけの生活(仕事)であった。
また、50万円を1カ月で使い切っていたことそのものにステータスを感じていた節があり、この大金はほとんどタクシー通勤のために浪費され、大勢の人間と一緒に電車通勤をしないことで優越感に浸っていたという。
このような空虚な生活を守る為に被害者を殺害した星島の、凶器にも彼の自己中心的な側面がよく現れている。
殺害方法についての尋問より抜粋(星島は被害者を被害者宅から拉致する際、被害者宅の台所から持ち出した包丁を被害者の首に当てて叫ばないよう脅迫しており、その際持ちだした包丁で被害者を殺害している)

検察官 「首を絞めることは考えなかったのですか」

星島被告「息を吹き返す可能性はゼロではないと思いました」

検察官 「首なら1回で殺せると、そう考えたことはありましたか」

星島被告「あると思います。2度も3度も刺したくありませんでした」

検察官 「殺すための道具は何を使おうと考えましたか」

星島被告「(東城さんが住んでいた)916号室から持ってきた包丁を使おうと思いました。自分のは使いたくなかった」

検察官 「それは、なぜ?」

星島被告「自分の道具を人殺しに使いたくなかった。殺してバラバラにして証拠をなくして、もとの生活に戻ろうと思っていました」


― 自己中心的で傲慢 - タクシーや凶器についてのエピソードから、サイコパスらしい星島の顔が浮かび上がって来るではないか。
星島が20分間殺害を躊躇していた理由のほとんどが自分自身や自分の持ち物を「汚したくない」為だったと、この発言から読みとることは容易だ(そして、この凶器にされた被害者宅の包丁は、殺害時、切れ味が悪かったために、解体用には自分の包丁を使った。汚れよりも労力軽減を優先したのだ!モノに対する執着はなく、殺害後はあくまで冷静に、道具を並べてどれを使うか判断している。)。
「部屋に血が飛び散って証拠が増えてしまう」ことを避けるためにタオルを使ったという発言は、もうひとつの「添え物」の理由であろう。
完全犯罪を目論んだかのような徹底した遺体処理はその実、場当たり的でずさんなものであった(警察の捜査方法を仔細に観察した結果、たまたま遺体の移動が隠ぺいに上手く働いたというだけで、遺体が不敗すれば鍋で煮込むし、その場しのぎに薬品で指紋を潰したりと(配管つまり解消の薬剤は劇薬)、先のことまで計画して行動していないように見える)。
その時々に決めたことを、ただ実行する、ロボットのような姿を想起させる犯行直前についての発言はこうである。

検察官 「前触れなく刺すつもりだったんですね」

星島被告「はい」

検察官 「なぜですか」

星島被告「叫ばれたり、抵抗されたり、そういったことが恐ろしかった。悟られる前に包丁で刺した」

検察官 「刺すと決めてから、立ち上がるまでどのくらいの時間がありましたか」

星島被告「正確には分かりませんが、短かったと思います」

検察官 「クローゼットに行って刺すまで1分もかかっていなかった、といっていいですか」

星島被告「はい」


― 浅い感情、衝動的 -そして星島は被害者が暴れない様に押さえつけながら、心の中で「早く死んでください」と唱えながら、我が身可愛さから生じた恐怖によって殺人を犯した。
自分の想定外に起こったこと、被害者を拉致しようとした際の「叫ばれたり、抵抗されたり」をずっとひきずっており、思い通りにならないものを終わらせるため、保身のための、殺意さえも希薄であるのがおそろしい。
星島のいう「恐ろしかった」は自分の思い通りにならないもの、未知のもの、想定外のものすべてに向けられた、「自分が傷つくことへの怖れ」に他ならない。
そこには被害者の、命を断たれるという「怖れ」への共感は欠片も存在しなかった。
また、一方で星島は「完全自殺マニュアル」を購入し(殺害方法の参考にしている)何度か自殺を試み、すべて失敗している(獄中でもあり)。

星島被告「絶対に死刑だと思います」

検察官 「質問されていないことに答えなくていい」


死体損壊についての質問の途中で、突然星島は叫ぶようにしてこのような主張をしてもいるが・・・。(行動をコントロールするのが苦手、ということを示してもいるか?)
彼の生きがいともいうべき「興奮」が潰えた時に試みた自殺・・・皮肉なことだが、現世に彼を踏みとどまらせたのもまた「怖れ」ではなかったか・・・と、嫌な想像に染まり切る前に区切って、実際の事件・サイコパスについての分析はこのあたりに留めておこう。(解体の様子などは見るに堪えない・・・)
最後に ― まるで人間の存在そのものを色を識別できない目で見ているかのようで、そのくせ鋭い知性はもっている。 - サイコパスを形容するこの言葉に相応しい、(犯行前からずっと暗闇だった自室で)殺害直後に部屋の電灯を点けた時の光景を語った、星島の印象的な発言を引用したい。

星島被告「…。(電気を)つける前とそんなに変わっていません。…。(首の血の跡も)たくさん血が流れていることは分かりましたが、色までは覚えていません」

検察官 「真っ赤かどうか分からないと?」

星島被告「はい」


遺体や遺品をすべてバラバラに切り刻んで完全に「隠滅」し終えた星島が完全に日常に戻った頃 ― 犯行から約3ヶ月後 ― <それでも生きものだから>星島の指紋が復活し、最有力の容疑者であった星島は指紋採取を要求され、採取照合ののちに逮捕、家宅捜索が行われた。
指紋以外の物証として星島の自宅から多くの(拭き残した)血痕が見つかり、拘留当初は否認していたものの、後に犯行のすべてを自供した星島の証言により、勤務先のトイレに隠した被害者の携帯電話が発見され(捜査かく乱のために使うつもりで取っておいた)、下水道からはバラバラの遺体や遺品の一部が発見された(最大5cm角とあまりに細かく切断されたため、多くは流されて見つからなかった)。
東京地裁及び検察側の控訴審による東京高裁の判決によって、星島は無期懲役が確定している。

・物語の中のサイコパス
寄生獣(1) (アフタヌーンKC (26))寄生獣(1) (アフタヌーンKC (26))
(1990/07/20)
岩明 均

岩明センセー大好きっす!

残虐で冷酷な殺戮者のイメージで語られるサイコパス(の中のシリアルキラー)は実際のサイコさんとはかなり異なっているようです。
実際のサイコさんをそのまま描くと、物凄く「つまらない」為、多くの人間が思い描くような可能な限り「悪鬼羅刹」のようなモンスターをあたかも実在するかのようにすり替えて表現している訳です。
なぜなら、サイコさんたちにはものを感じる心がないか、ものすごく希薄だから・・・普通の人にはおおよそ彼らに共感することができないのです。
ドラマチックさは皆無であり、まるでロボットのように無機質なものを幾ら描いたところで似たり寄ったり、面白くなる筈がありません。
ですから、いくら実在のサイコパスをモデルに制作されたとしても、映画の中で生き生きと殺人を犯す<リアリティ溢れる>彼らの姿は実際のサイコパスとはかけ離れているのです。
実際の姿とはかけ離れた想像上のサイコパス像は、しばしば大衆のなかの一部の人間を惹きつけ、美しい見た目をしたサイコパスをまるでスターかアイドルのように崇拝する奇妙な運動を引き起こします。
彼ら<無害な>ファンたちは勝手にサイコパスの生い立ちや内面を想像し、同情し、ラブレターを送ったり、ファンサイトを立ち上げたり、時には(米国では)冤罪を訴え、サイコパスを野に放つ<有害な>助けをします。
日本でも、特に未成年者のサイコパスが偶像化される傾向があり(少年法の保護による多くの謎に起因すると思われる)「NEVADAたん」/佐世保小6女児同級生殺害事件の犯人 が有名な例である。
サイコパスを同じ人間のように描くことから誤解が生まれるのなら、そもそも人間として描かなければいいのではないか?
・・・というわけで(強引)私の知るなかでもっともサイコパスがそのまま描かれている作品「寄生獣」、この名作を例に話を続けてみます(ん?ただのファンやよ)。
「寄生獣」に登場するモンスター(異星人?)は「つくりものみたいな顔」や「ミンチ殺人」という表現から分かるように、サイコパス(の中のシリアルキラー、更に人肉食のもの)をモチーフにしています。
彼らが人間社会に溶け込むために持ち前の高い知能で言葉・習慣・表情の作り方を学んでいきますが、ヒトの感情を理解できず、モンスター同士の社会を構築しようとしても上手くいかない。
普段はおとなしく、魅力的な人物を演じ完璧なように見えるが、自分以外の個体(人間ども)を識別することができず、自分自身を傷つけられると暴力衝動を抑えることができなくなり大惨事を引き起こす。
一方で、人間でありながらモンスターに限りなく近い大量殺人犯(人肉食含む)・浦上は彼らと同じ様でいて(自身では同類、「目を見れば分かる」と認識しているが)全く違う考えをしています。
本物のモンスターは命令に従って人肉食をするだけだが、浦上がやっているのは快楽のための同族殺しである・・・と。
「寄生獣」ではサイコパスと快楽殺人者の違いを上手く表現しているように見えるけれど、物語を成立させるために「痛がり屋」という要素を加えています。(後藤に顕著な長続きする「怒り」や、そもそも人食いの「命令」もそうだけど・・・)
生き物は痛がり屋。
生存本能という名の「恐怖心」・・・生物には本来備わっている筈のソレは、他の感情と同様に、サイコパスにとって大したものではないのです。
サイコパスに欠けている「恐怖心」は生きる為に必要なものですから、彼らは生き物としては弱者なのかもしれません。
ヒトが他の生き物によって、あるいは自然の脅威によって殺されることがなくなるにつれ、淘汰されていた筈の僅かなエラーが増殖し、現在に至ったのではないか・・・サイコパスが人口の3%を占めるまでに。
これが地球の意思なのだ!なぁんて言っちゃうと広川になっちゃうんで、寄生獣的な考え方はここまでにして、これからのことを考える為に「新世界より」へ行ってみましょう。→たぶんAC編となる次回につづく!
(はわわ・・・もうスペースがないやんけ!まったく予定通りにすすまんのぉ)
畜生は畜生らしく。その3:実際と物語上のサイコパス―星島と寄生獣―
  1. 2013/03/01(金) 22:34:44|
  2. 雑記
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